いきなりですが2020年12月の僕の声帯です。
昨年から定期的に検診を受けています。その都度、鼻からカメラを入れて撮影してもらうのです。

おわかりだろうか・・・

声帯の合わせ目がまっすぐではなく、微妙に盛り上がっている箇所が写っています。

これが悪化すると「声帯結節」になります。いわば「結節の芽」です。

数年前に声帯ポリープの除去をした際、ポリープの合わせ目に結節ができかかってますよ〜と言われたのですが、それは術後に自然治癒しています。
なので、この「芽」はそれ以降にできたもの。

実は昨年夏以降から、声に少しずつ違和感を感じていました。気のせいだよ、と誰かに言われたらそうだよな、と思い直してしまいそうなほど曖昧な感覚だったのですが、たしかに高音のある音程でかすれが目立つようになっていました。

ボイトレの先生に毎週、声を聞いてもらっていたし、トレーニング中にはあまり気にならなかったのですが・・・
ライブになるとあれ?という瞬間が一度や二度、必ずやってくるのです。

意を決して年末に専門外来を受診したところ、医師も見落としてしまいそうな、小さい「芽」が。

またやってしまった、と、がっくりきました。

ボイトレの先生にも「守ってあげられなくて」と謝られる始末。自分が情けなくなりました。

しかし原因がわからない。
コロナ禍で歌う現場は激減していたので、使い過ぎのはずはありません。
発声も燃費のいいかんじへ矯正済みでした。以前の怒鳴るような、叫ぶような歌い方は封印していたはずでした。

ボイトレの先生と、なんでだろうね・・・と悩んだ結果・・・以下の仮説を立てました。

 

コロナ禍で現場が激減

配信など無観客でのパフォーマンスが増える

あるはずの観客の反応がなくなる

届いてるか不安になる

不安なので力みが出る

叫ぶ、怒鳴るが復活

 

こういうことなんじゃないか。

ニューノーマルは僕らが作る、と意気込んだ結果、画面の中で空回りして、また喉を酷使してしまった。

つまり、僕のチキンハートがコロナに負けただけでした。

 

幸いにも結節と言えるほど大きくなく、しばらく様子を見ましょう、ということになり。
何度か通院するうち、春には、この結節の芽、ほぼなくなりました。(自然治癒は珍しいことではないそうです)
気になっていた高音のかすれもなくなり、元気にでかい声で毎日歌っています。

発声のチェックは毎週してもらっていたので、歌うことへの恐怖はありませんでした。
それがよかったのかな、と思います。
不安だったから叫んでしまった、という仮説が正しければ、安心できていれば痛める発声はならないはずだからです。
病院の先生とボイトレの先生、ふたりのおかげです。

それにしても、怖いよコロナ。感染してなくても、こうやって心を蝕み、体に影響を与えていく。
メディアが産んだ人災の部分も大きい。やっかいなものです。

今また感染者数などをセンセーショナルにあおり、危機感の共有!なんて言葉がテレビから聞こえてくるようになりましたが・・・
恐れ方を間違わないように。不安に支配されないように。
心の健康にも、皆さんも気をつけましょうね。